
目次
- 視察の目的
- 視察対象の村
- ツアー概要
- コーヒー農園の様子
- タイにおける野焼き
- 感想
- ツアーの参加方法
1 視察の目的
本視察は松井研究室の研究テーマ③『社会問題の解決』の取り組みの一環であり、株式会社Saphanと今後の共同研究などについて検討を行っている中で実現したものです。現地村落が行っている非公開のツアー(3名)に参加させていただく形で実現しました。
株式会社Saphanはミャンマーからタイに移民してきた人々の支援を中心に活動しているソーシャル企業であり、以下のような事業を行っています。
1 山岳民族からコーヒーを適正価格で購入
2 コーヒーの焙煎等により移民の仕事を作る
3 日本などでコーヒーを販売
4 利益を移民の子どもたちが通う学校での給食などに還元する(国籍がないのでタイの学校には通えない)
Saphan社HPはこちら
タイ出張①では上記1のコーヒーの農場を視察しました。山岳民族の暮らしの現場やコーヒー事業の実態を把握することで、今後の研究やコンサルティング支援への土台とすることを目的としています。
タイ出張②としてミャンマーからタイに移民してきた人々向けの移民学校の視察も行っていますのでよろしければそちらもご覧下さい。
2 視察対象の村
視察対象の村は”Huaysompoi village”と呼ばれる集落であり、およそ100世帯400人ほどが暮らすカレン族の集落です。

コーヒー園があるHuaysompoi村はチェンマイから南西に80kmほど移動した場所にある。視察②で訪れた、ミャンマーからの移民が多く住むMae sotとは移動距離にして280kmを超えるほど離れている。(名古屋ー大阪間の移動距離が175kmほどなのでその1.5倍以上ある)
3 ツアー概要
ツアーではWatさんの案内のもと、作田社長にもご同行いただき、1泊2日で以下のような内容を体験させていただきました。
- チェンマイにて集合、車で移動
- 現地の宿泊所にて昼食、コーヒーやグリーズベリーなどのフルーツを頂く
- 機織り体験
- 滝のある公園で休憩、滝の裏を通って滝を一周
- コーヒー園の視察と生コーヒーの試食
- グリーズベリーやハーブなどの収穫体験
- 周辺を散策(野生のチョウ・放し飼いの牛などを見ることができる)
- 夕食(バーベキュー)
- 宿泊所で宿泊
- 朝食・周辺の散策
- チェンマイに移動、解散
コーヒー園で生まれてはじめて生のコーヒーを食べられただけでも素晴らしい経験でしたが、それに加えて滝を一周したのと夕食のバーベキューなどが素晴らしく、一生忘れられない体験となりました。
日本でも滝巡りを趣味にしている私は、滝の裏側をまわって一周できたのは嬉しい体験でした。
夕食のバーベキューは、現地で育てられた豚やカレン族の料理をいただいたのですが、自然に育てられた豚肉は噛めば噛むほど味があり、どこで食べた肉よりも美味しく感じられました。
取り立てのフルーツを好きなだけ味わえたことも素晴らしい経験でした。今回はグリーズベリーやマルベリーをいただきましたが、時期によりマンゴスチン・マンゴー・ライチなどもいただけるようです。
4 コーヒー農園の様子
コーヒー農園は、大規模なコーヒー業者とは異なり、自然の山に下生えのような形でコーヒーの木を植えていました。急斜面に植わっているので収穫は大変なようです。
コーヒーの木は強い日差しを嫌うので、通常の農園では日よけなどを用いて育てるのが一般的なのだそうですが、この村では自生している条件のまま森の木を日除けにして栽培していました。
こうすることで、森林を保護しながら最小の介入で現金収入をもたらす産業を生むとのことでした。コーヒー園があることで近隣の焼き畑を防ぐ効果もあるとのこと。
こちらではアラビカ種(コーヒーの中でも生産が難しいが風味に優れた種)のうち、バーボン・ティピカ・カルティモールの3種を育てているとのことです。その他有名なゲイシャやインドネシアのコーヒーも栽培を試しているそうですが、販売するほどの量には達していないようです。
コーヒー豆は完熟したものを1つ1つ手積みするのが大事だそうです。Saphan社が契約している農家以外では、買い叩かれているせいもあり未熟な豆をふくめてまとめて収穫してしまうそうで、農家への生産指導が欠かせないようです。
5 タイにおける野焼き
今回視察したタイのチェンマイ周辺は、現在大気汚染が世界で最もひどい地域といわれており、その主な原因が山の野焼きと言われています。
3月は、4月からの農業に備えて大規模に野焼きが行われるため、私が視察を行った時期が最もひどい時期であったようです。マスクをせずに深呼吸をすると喉がひりつくような感覚を覚えました。AQIという大気汚染指標で外出を控えるべきとされるレベルに悪化することも多く、大きな問題となっています。
今回視察したHuaysompoi村への移動途中にも、野焼きされた山肌がかなり確認できました。

6 感想
山岳民族の方は立場が弱く、主流派のタイ族に比べるとコーヒー豆の卸売価格でも買い叩かれているのが現状のようです。Saphan社が適正な価格で仕入れを行ってくれることで貴重な現金収入になっているとのことで、山岳民族への支援としても有効な取り組みであることを改めて知ることができました。
7 ツアーへの参加方法
今回私が参加したツアーには、コーヒーのフェアトレードやミャンマー移民の支援などを行っているソーシャル企業である株式会社Saphan様のご厚意で紹介していただいたものです。Saphan様は旅行業の免許をもっていないのでツアー自体の企画や斡旋はできないそうですが、Huaysompoi villageやタイ現地の別法人がツアーを企画した際にはSaphan様のInstagram等で告知があるようです。
将来の研究などに向けた視察という目的を差し引いても、純粋に体験としてすばらしい経験でしたので、参加をおすすめいたします。








